映画

映画『運び屋』、紛れもない傑作です

2019年3月22日

 

はい、映画のお時間です。

どうも、

そむくくです。

 

この記事は私個人の感想です。それは違うと貴方が思ったとしても知ったこっちゃありませんので、ご了承いただきますようお願いします。

軽くネタバレしていますので、ネタバレ御免な方はそっ閉じして下さい。

 

それでは参ります。

 

待ってましたのクリント・イーストウッド監督/主演 作品です。

観客の琴線に触れるのがホントに上手い監督さんで、俳優としても監督としても私は大ファンです。

 

今回彼が演じるのは90歳の麻薬の運び屋(実話)。

ただの運び屋じゃありませんよ。

朝鮮戦争で戦って、90歳になって怖い物無し。

おまけにとっても愛されキャラなんです。

遠慮無しにズバズバ物言う爺さんなんだけど、関わる人、誰もが彼に心を許すんです。

ユーモアたっぷりで、観客の心も鷲づかみです。

 

今回の作品、キーワードは家族。(違うかもしれませんが、私はそう思ったから、それでいいじゃん)

 

麻薬の運び屋の話なんですけど、クライムアクションじゃありません。
(爺さんにはアクションはできません。スピード違反もしません。笑)

「家族を大切に」って何度も言うんですよ。

この映画は、家族への贖罪の話なんですね。

この作品の中には問題を抱えた3つの家族を写している事に気付きます。

 

爺さんの家族

主人公の爺さんは仕事一辺倒で、家族を蔑ろにしてしまったために、奥さんと娘さんから愛想つかされてます。

実は、この娘を演じているのがイーストウッドの実娘で、同じような境遇にあったらしいです。

つまり、この家族はイーストウッドの家族そのものでした。

 

爺さんを運び屋として使っている麻薬組織

爺さんが組織の構成員の1人に、組織を抜けろと説得する場面があるんですが、その構成員は「自分を拾ってくれた。ココが俺の家族(意訳)」と言って拒否します。

それを聞いた爺さんは何も言えなくなってしまいます。

 

爺さんを追う刑事の家族
この家族は映像では出てきませんが、刑事が何気なく喋った内容からその形がほのかに見えてきます。

奥さんにとって大切な記念日を忘れていたことを話す刑事に向かって爺さんが

「記念日を覚えておくことは大切なこと。特に女性には(意訳)」

と言うんです。自分に言い聞かせるように、しんみりと言うんです。

 

この刑事を演じるのはブラッドリー・クーパー。

レディ・ガガ主演の映画『スター誕生』の監督さんです。

彼はイーストウッドの愛弟子なんですね。

イーストウッドは早撮りな監督さんです。

監督さんによっては納得がいくまでテイクを重ねる人もいますけど、イーストウッドはどんなにテイクを重ねても良くはならないと言うのが持論みたいです。

そんな師匠が弟子に語るような素敵なシーン、あれは1テイクだったに違いありません。

 

3/23追加 番外編
乗ってた車のタイヤがパンクしてしまいスマホも圏外で途方にくれていた家族

困った人を捨て置けない爺さんは、勝手な行動を取るなと言われていた事には気もとめず、その家族のそばに車を止めます。

そこでタイヤ交換の仕方を知らなかった男に向かってこう言います。

父親からタイヤ交換の仕方を教わらなかったのか?

会話だけの何でも無いシーンですが、この一言の台詞でアメリカの一般的な父と息子の日常のひとコマを見せてくれる。

上手いですよねぇ。

 

まとめ

誰にでも勧められる素晴らしい作品だと思います。

等身大のイーストウッドが見られたというか、期待以上で大満足な仕上がりでした。

タイトルから浮かぶ暗いイメージとは違って、ホッコリする内容です。

泣かせるシーンもありますよ。

沢山の人に見て欲しいなあ。

 

おまけ

イーストウッドの若い頃の作品『マンハッタン無宿』『ダーティハリー』も超オススメです。

メチャかっこいいですよ〜。

ダーティハリー

 

マンハッタン無宿

 

んじゃ、またね〜。

 

 

-映画